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デジタル化が高齢者を救う

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(絵:吉田たつちか)

市役所から分厚い資料が届いた。市の敬老会事業の一環である「長寿ふれあい交流事業実施計画書」の案内書類だ。今年から、輪番制で自治会会長の任についているので、この種の書類が頻繁に届く。
 町内の高齢者(65歳以上)に対して行う、記念品か敬老会行事のどちらかに、その事業費の3分の2を補助するのだという。従来、当自治会では、紅白饅頭を配っていた。私以外の若いスタッフ(副会長・会計・監査)に意見を求めると、今どき、紅白のまんじゅうなどもらってもうれしくはないのでスーパーの商品券を進呈したらどうかという。
 他の自治会でもスーパーの商品券にしているところが多いようだ。かくて、当自治会でも商品券を配ることにした。
 市の担当課に提出する書類の中に、記念品授受資格者(65歳以上)の住所・氏名を記載する書類がある。これが、なかなかやっかいだ。個人情報保護法とやらができてから、町内会の名簿の取り扱いが面倒になった。町内会名簿には生年月日が収録されていないから65歳以上の人を区分けするだけでも一苦労。住民の大半が65歳以上とはいえ、昨年の提出資料はそのまま使えない。死去した人、老人介護施設に入ってしまった人、転居した人、転入した人も少なくないからだ。
 しかも、自治会名簿には世帯主しか記載されていないのに、市に提出する名簿は、住所・氏名を記載する必要がある。提出した名簿は、当然ではあるが、市では住民登録台帳を元にチェックするようだ。わずか1人800円の補助を受けるためになんとまあ、手間がかかるものやら。
 大量の書類が届いた理由は簡単で、それぞれの提出資料ごとに記入事例が丁寧に同封されているからだ。自治会長の殆どは高齢者なので、そこまで丁寧に提供しないと、書類が整わないのだそうだ。役所仕事の手順は理解するが、そろそろ方式を変える時だ。せめて、提出書類はメール送信で全て済むようにしてもらいたい。メール送信ならば、双方に記録が残って、高齢会長でも提出忘れも防げる。
 菅政権になって、河野太郎行革・規制改革担当大臣と平井卓也デジタル改革担当大臣の手腕に注目が集まっているが、国はもとより地方自治体も含め、ドラスチックに変わってもらいたいものだ。
 今回のコロナ禍に伴う各種の助成の混乱は、これまでの仕組みがいかに時代にあっていないかをあぶり出したいい現象ではある。問題点が明らかになったのだから、改革の方向も明確になり、大きく進展するものと期待する。
 その際、高齢者だからデジタル社会に適合できないという既成認識もなくしてもらいたいものだ。今や、田舎暮しでは高齢者といえども、デジタルデバイスを駆使できなけらば、生存さえ危ぶまれる。ネットで何でも買うことができる。ネットで購入した冷凍食品をストックするため新たに冷凍庫を購入した。かくて、我が家の食卓には、吉野家の牛丼やゴーゴーカレーが主役に踊りだした。そして、セブンイレブンの冷凍タンタン麺にもハマっている。

(ジャーナリスト 井上勝彦)2020-11

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