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日本で最初にラーメンを食べたのは?

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1005-03 控えおろう! ここにおわすお方をどなたと心得る。先の副将軍、水戸光圀公にあらせられるぞ! ええい、頭が高い! ハハーッ!
そう、日本で最初にラーメンを食べたのは、黄門さまなんです。作った人が最初だろう、とか、お毒味役の人ではないのか? という疑問はさておき、黄門さまなんです。
いまから、およそ340年前。徳川光圀は、中国の儒教に凝っていたそうで、その勉強のために、当時長崎に来ていた、中国の儒者「朱舜水(しゅしゅんすい)」を水戸に呼んだのです。勉強したければ、自分で長崎に行くのが礼儀だと思いますが、そのあたりは、お偉いさんのわがままですかね。そして、朱舜水を師と仰ぎ、ますます儒教にのめり込んでいきました。
その儒教つながりで、中国の食べ物にも興味を持ち、珍しいもの、新しいものを集めまくります。昆布、胡椒、蜂蜜、亀、サンショウウオ、ナマコ、羊、ジャコウネコ、ヤマアラシなどを取り寄せました。
そんな様子を見ていた朱舜水が、中国の麺料理を振る舞ったというのが、初ラーメン黄門説です。朱舜水は、中国からレンコンで作った澱粉を取り寄せ、平打ち麺を作り、「五辛(ウーシン)」という5つの薬味とスープを添えて、黄門さまに食べさせました。五辛というのは、今の山椒、ニンニクニラ、白い辛子、香菜だったそうです。
このラーメンを食べた時の黄門さまは、さぞかしビックリしたことでしょう。なにしろ当時の日本には無い食材を使っていたのですから。そんな感動を味わってみたいものです。
(文:料理研究家 佐藤きよあき/絵:吉田たつちか)2010.05

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