この時期のお天気の特徴は、他の季節と違い、西から東へお天気が変わっていかないことです。テレビなどの天気予報でも、「梅雨前線の南下に伴い」とか、「梅雨前線の北上に伴い」という表現を聞いたことがあると思います。
普段の天気は、上空の偏西風の影響を受けて、低気圧や高気圧が西から流れてくることによって、おおむね西から東へと変わっていきます。
しかし梅雨は、北にある冷たくて湿った空気のかたまり(オホーツク海高気圧)と、南にある暖かくて湿った空気のかたまり(太平洋高気圧)とが、日本付近でぶつかり合うことによって雨を降らせるので、雨が北から近付いてきたり、南から降り始めたりするのです。
一般的に、梅雨入りは南の地方ほど早く、沖縄地方では5月のうちに入梅を宣言されます。そして、おおむね7月も終わりのころ、学生さんたちの夏休みのころになると、梅雨明けが宣言されます。
こうした「梅雨入り」や「梅雨明け」の宣言が毎年話題になりますが、実はそれはマスコミ用語のようなもので、明確な基準はないのです。梅雨というのは一つの季節と捉えられるものなのですが、他の季節にも、例えば「桜が咲いたから、春」というような明確な「合図」があるわけではないのと同様に、梅雨の始まりや終わりにも、本来は決して明瞭な「サイン」があるわけではないのです。
雨が降ると、洗濯物は乾かないし、食べものは腐るし、通勤には服が濡れて困るし、車などの運転も大変ですよね。しかし、この時期に雨が降らないと農作物は育ちません! そう思って雨にも感謝いたしましょう!!
(文:チャーリー/絵:吉田たつちか)2006-06