UA-77435066-1

イラスト入りコラムを約700点収録しています。コラムニストも随時募集中!ニュースレター制作のご相談も承ります。

ビール! ビール! ビール!

 | 

(絵:そねたあゆみ)

●適量のビールは成人病予防が期待できる

 ビールが美味しい季節になってきました!

 よくビールは太るとかビール腹とか言われますが、ビールに含まれる糖質量は、ロング缶1本で、ごはん半分以下。

 また一日にロング缶一本程度を飲むと、糖尿病、胆石、動脈硬化の予防になるといいます。(ただし飲み過ぎは逆効果ですからご注意を!)

 またビールは痛風の原因といいます。確かに痛風の原因であるプリン体は入っていますがそれほど多くなく、牛モモ肉のステーキ100グラム分のプリン体をビールで摂るには、3.5リッターも飲まなければいけないそうです。つまり適量のビールはとても健康にいいと言えそうですね。

 

●世界最古文明シュメールでも飲まれていたビール

 実はこのビール、とても古い歴史を持っているのをご存じでしょうか?

 世界最古の文明といえば、いまのイランやクェートにあったシュメール文明です。紀元前3500年~2000年に突如興った謎多い文明です。

 このシュメール文明の影響は現在でも強く残されていて、現在の時計は一分が60秒、一時間が60分。この60進法はシュメール文明で生まれたのだとか。

 それだけではありません。世界中の大人たちが愛してやまないビールもまた、シュメール文明で誕生したのです。

 なぜそれがわかるかというと、発見された粘土板に書かれた楔形文字にビールの作り方が書いているんです。

 古代エジプト文明でもビールは飲まれていました。かのエジプトのピラミッドは奴隷がビシバシと鞭で打たれながら作ったと思われていますが、実際は農閑期に、一杯のビールと玉ねぎ一個のご褒美があり、それを目当てに農民が率先してピラミッド作りに参加していたんだそうです。

 古代でもいまでも、働いた後の一杯のビールは最高ってわけですね。

 

●歴史の影にビールあり

 シュメール文明から人類に現れたビールですが、後に古代ギリシャや古代ローマでも人々のノドを潤します。

 やがてビールはヨーロッパ諸国にも広がっていきました。時は17世紀、イギリスで迫害されていた清教徒(ピューリタン)たちが新天地を目指してアメリカ大陸に向かいます。彼らの船『メイフラワー号』には400樽もの大量のビールが積み込まれていました。

 別に宴会をするためではないですよ。ビールは水よりも腐りにくかったため積まれたのです。記録には途中ビールがなくなってしまったという記録が残っており、これは命をつなぐ水分がなくなってしまうに等しく、食料よりもビールがなくなることは深刻であったようです。

 日本で最初にビールを飲んだ人たちも、大航海の途中でした。

 幕末、アメリカの軍艦ポーハタン号と咸臨丸が勝海舟、福澤諭吉、ジョン万次郎といった日本人を乗せてアメリカに向かいました。

 往きは太平洋を横断してアメリカに向かい、帰りは大西洋を渡ってアフリカ大陸沿いを行き、喜望峰を回ってインド洋を超えて日本に帰国するという、文字通り世界一周の旅でした。

 一行が最初にビールを飲んだのは、その往路のとき。そのときの記録を玉虫左太夫(たまむし さだゆう)という武士が書き残しています。

「「苦味ナレドモ口ヲ湿スニ足ル」」

 これが日本人が最初にビールを飲んだときの記録です。

 一行が喜望峰を目指していたとき、一滴の水を争って飲むような深刻な水不足になってしまいます。

 そのとき船長が乗員に出したのが1人一瓶のビールでした。勝海舟や福沢諭吉のような偉人もビールによって命を救われたのかも知れません。

 まさに歴史の影にビールあり! ですね。

 

●現在のビール戦争とは?

 明治になるといろいろな人々がビール製造をはじめます。ビールって最初から日本人に愛されたお酒なのですね。

 明治の終わりころになると、キリンビールやサッポロビール、エビスビール、アサヒビールといったいまもあるメーカーが現れてきます。

 そして昭和の時代、ビール業界の主流はキリンビールとなります。

 それに一石を投じたのが昭和末期に発売されたアサヒビールの『アサヒスーパードライ』! 日本にドライビールブームを引き起こしました。

 ビール戦争は業界の競争だけではありません。バブルの時代に海外のビールが安くなり日本のメーカーとの競争が起る。高い酒税法から逃れるために『発泡酒』の研究開発、そして発売。

 さらに酒税法との戦いから『第3のビール』(ただしくはリキュール類でビールではない)の研究開発、そして発売。

 さらにさらに、「若者の酒離れ」や他のいろいろなお酒の登場といった問題との戦いと、ビール業界の戦いは続いているようですね。

 

(食文化研究家:巨椋修(おぐらおさむ))2017-06

 

 

コメントを残す

Top