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新型コロナウイルス禍後の世の中

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(絵:吉田たつちか)

新型コロナウイルス感染症対策を契機に世の中が大きく変わろうとしている。過去にも、ペスト、コレラ、黄熱病、天然痘などが世界的規模で広がり、収束した後の世の中を大きく変えた。
 WHO が1980年5月に世界根絶宣言を行った天然痘を除いては、今も感染の恐れは残っている。病原菌ウイルスは人間より古くから存在していたといわれており、根絶するのは難しく、人類と共生する以外にないという識者もいる。
 政府の緊急事態宣言以降、仕事や学校などのありかたが変化している。休校を余儀なくされた学校では、オンライン授業を取り入れ始めている。従来から、ネットを使った学習システムはあったものの我が国では普及しなかったが、これからの世の中は、むしろこちらが主体になる勢いだ。知識だけ、技法だけを教えればいい予備校や塾は、実力のある有名講師だけが生き残り、その他大勢は不要になるかもしれない。
 学校そのもののあり方も問われてきており、個々のレベルに応じた授業が可能なネット学習のほうが合理的だとわかってしまうかもしれず、学校のありかたそのものも問われかねない。
 一度、在宅ワークに慣れた仕事人は、もう、満員電車での通勤は無理かも。在宅ワークでも会社が回るとわかってしまうと、会社を東京に集中させる意味も減少する。かくて、東京一極集中の悪弊も解消されるメリットも生まれるに違いない。能力のない上司が居場所をなくすのも時間の問題だ。
 通院もままならなくなった高齢者が結果として、薬の量を減らさざるをえなかったにもかかわらず、かえって健康になってしまったら、これまで投与していた高血圧の薬や睡眠薬はなんだったのか見直さなければならない。新型コロナウイルスでの死者数の推移と同時に、他の病気での死者数も比較公表してもらいたい。
 コロナ禍のおかげで取材費もかからず、制作費もそれほどかからず外に出ない人が多かったため、視聴率も上がり、悦に入っているテレビ各局であるが、ネットで映画をみたり、ネットで学習できることがわかった人が増えた結果、ネットへのシフトが今後拡大すること必至で、テレビの役割は新聞同様大きく衰退の一途をたどるに違いない。
 実店舗が休業を余儀なくされている間に、ネット通販が急拡大している。小生もネットで自動車修理専門書店(TEBRA書店)を開設しているが、4月は過去最高の売上だった。高齢者もネットが使えれば、買い物に苦労することなく、生存できる。
 商売の仕方も大きく変わるかもしれない。ネットキャバクラが週刊誌で話題になっていたが、飲み屋のお姉ちゃんはネットでは物足りない。家飲みは限界だ。早く、外飲みがしたい!
 この原稿が印刷されるころには、今回の騒動が収束されていることを願うばかりだが、世の中が元に戻ると思うより、新しい仕組み、新しい価値観が生まれると輝かしい未来を夢想するのも悪くない。

(ジャーナリスト 井上勝彦)2020-05

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