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カンジダ菌と腸内免疫

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(絵:吉田たつちか)

ストレスは目に見えないけれどウイルスと同じく本当に怖い!
特に今回のコロナのように、またか、またかという自粛と、出口の見えない不安は慢性化するストレスであり、免疫力、自律神経ホルモン等のバランスに多大な影響を与えているので、今後3年以内にがんをはじめとする免疫病の発症率が増える事は容易に予想され、すでに“まさか“という方々が命を落とされています。
 一方、季節の変わり目特有の寒暖差ストレスは、急性のストレスではありますが、大きな気圧や気温の変化や強風が吹いた1〜3日後に歯周病が激しく悪化する事が岡山大学の研究でわかっています。ストレスが入ると、副腎皮質からコルチゾールが分泌され、肝臓での糖新生を高める事、インスリンの分泌を抑制したりインスリン抵抗性を増大させる事で、血糖値が上がります。血糖値が高めを推移すると、一気に悪くなるのが口腔環境と腸内環境です。そしてそのカギとなるのが、カンジダ菌です。(真菌・・・つまりカビの一種)カンジダ菌は常在菌の一つで、健康な人の粘膜(口腔、食道、腸管、膀胱、膣など)にも存在しますが、ストレスにより血糖値の高め時間が続く事で過剰に増殖し菌糸という枝を伸ばして、粘膜を傷つけ侵略して行きます。過剰に増殖したカンジダ菌からは次々に有毒物質が放出され健康被害を及ぼします。例えば、カンジダ菌から放出されるアセトアルデヒトは二日酔いの原因にもなるもので、慢性の頭痛、慢性疲労症候群、抑うつ、パニック症などの様々な症状を起こします。患者さんで、胃がん、大腸がんが発症された方の多くに、初期症状に味覚異常があり、亜鉛などのサプリを飲んでも一向に治らなかった・・病院で調べたら口腔カンジダだった!という経験があります。味が変わった、味が良くわからなくなった、口の中がモサモサしたり、ピリピリする、舌が痛い、歯周病が悪化、歯茎が浮く・・・などはカンジダ菌がもたらす代表的な症状です。
 またSIBO(小腸内細菌増殖症)でお悩みの方で、お腹の張り、食欲不振、下痢と便秘が交互に続く、夜間に寝汗や痙攣足のムズムズが止まらず眠れない・・・などの症状がなかなか完治せず、専門の病院で調べたらカンジダ菌が原因であった!という経験もあります。
 カンジダ菌は、糖分を非常に好んで増殖する性質があり、そのためカンジダ菌が増えると甘いものが異常に欲しくなります。消化管粘膜で増殖したカンジダ菌は、胃の炎症、食道炎、潰瘍性大腸炎などの炎症を起こしたり、腸の粘膜に穴を開けてタンパク質、細菌、ウイルス、化学物質などが血液中に漏れてしまう“リーキーガット症候群“を引き起こす事もわかっています。腸内は体の最大の免疫機関で、外敵を血液中に入れないように防御したり、組織に起こった炎症を鎮めるシステムがありますが、カンジダ菌が日和見菌を悪玉菌に傾ける事で、腸内環境を悪化させ、免疫システムを乱すことで、発がん、重大な血管病、認知症、アルツハイマー、アレルギー疾患等を起こすことがわかっています。
(薬剤師・国際中医師・国際薬膳師 高田理恵)2022-03

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