(絵:吉田たつちか)
独特なタッチで女性を描いたイタリア人画家モディリアーニの晩年の苦悩と葛藤を描いた映画「モンパルナスの灯」*を観た。
モディリアーニといえば、『髪をほどいた横たわる裸婦』を思い出す。1989年に大阪市が19億3000万円で購入、当時は「税金の無駄遣いだ」と散々叩かれたが、現在の評価額はなんと、その10倍にも跳ね上がっているという。
この絵の購入を機に美術館を建てる構想が持ち上がったものの、実際に美術館(大阪中之島美術館)がオープンしたのは約40年後の2022年2月だ。
高額絵画の購入では1987年に安田火災海上保険(現損保ジャパン日本興亜)が、約53億円で購入したゴッホの「ひまわり」を思い出す。この時も多くの批判をあびたが、現在は新宿にあるSONPO美術館に常設展示されていて、同館のシンボル的な絵画であり、日本の宝と言っても過言ではない。
ゴッホといえば、「炎の人ゴッホ」*という映画もおススメ。
絵については、あいにく、鑑賞眼を持ち合わせていないものの、日本各地に思ったより多くの美術館があるので、旅の途中に立ち寄ることが少なくない。
最近は便利なスマホアプリもいくつかあるが、小生が愛用しているのが「チラシミュージアム」だ。地域や開催日などで、検索すると、美術展のポスターが表示されるので、美術館めぐりを小旅行の目的にすることもある。
絵画の蘊蓄を語らせたら日本一なのが山田五郎氏だ。彼がYouTubeで公開している「山田五郎 オトナの教養講座」*は、登録者数56万人を超える人気サイトだ。ここで学ぶことで美術にふれる楽しみがおおいに膨らむし、美術鑑賞という趣味がひとつ増えるきっかけとなる。
*//video.unext.jp/play/SID0036131/ED00205711
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*https://www.youtube.com/@art-yamadagoro
(ジャーナリスト 井上勝彦)2024-03