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『古事記』の神々(その7)黄泉の国2

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(絵:そねたあゆみ) 

 前回は、亡くなった妻、伊邪那美命(いざなみのみこと)を、黄泉(よみ)の国へ追いかけて行った伊邪那岐命(いざなぎのみこと)が、つい妻との約束を破り、妻の醜いなきがらを見てしまったために、黄泉醜女(よもつしこめ)に追いかけられる場面まで紹介しました。
 伊邪那岐命が黄泉醜女を追い払うために、次々とものを投げつけると、そこから食べものが現れます。頭に載せていた、葛(かずら)を結った冠は、ぶどうの実に。右の耳に飾っていたかんざしは、竹の子に。
 黄泉醜女がそれらを食べているあいだに伊邪那岐命は必死の逃走を試みます。黄泉醜女は雷神に頼み、千五百の黄泉の国の兵士を遣わしてもらい、ともに伊邪那岐命のあとを追わせます。伊邪那岐命は後ろ手に剣を振るいそれらを打ち払いながら、なおも入口へと逃げます。
 やがて、「黄泉比良坂(よもつひらさか)の坂本」といって、黄泉の国と現実の世界との境目まで伊邪那岐命が逃げ延びたとき、坂本にあった桃の実を三つもぎ取って、自分を追いかけてくる兵士たちに投げました。
 ようやく伊邪那岐命は、無事に黄泉の国から出ることができたので、桃に向かってこう言いました。「お前はわたしを助けたように、この葦原中国(あしはらのなかつくに 現実世界のこと)に暮らす人々が、苦難に遭って憂い悩んだとき、助けになってやっておくれ」そして伊邪那岐命はその桃を、意富加牟豆美命(いほかむづみのみこと)と名づけました。
 そうしているところへ、伊邪那美命、本人が、夫であった伊邪那岐命を追いかけて来ました。伊邪那美命は千引の石(ちびきのいわ/千人かかっても動かせないほどの巨大な岩)を動かし、黄泉比良坂の上に置いて、現実の世界と黄泉の国との行き来が二度とできないようにしてしまいました。そして、言いました。「愛する人。あなたはわたしを裏切りました。その仕返しに、あなたの国の人々を、一日に千人殺します」
 それに対して伊邪那岐命は、「愛する人。あなたがそう言うのなら、わたしは一日に五千人の子どもを産ませましょう」
 と答え、それが実現するようになりました。
 壮絶な愛の物語もこれで終わりです。次回からは伊邪那岐命の活躍が始まります。
(コラムニスト 気象予報士 CHARLIE))2017-10

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