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「初夢」を楽しむ

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0601_3皆様良い初夢を見ることができたでしょうか?

年が明けてから初めて見る夢を「初夢」といいますが、新暦では元日もしくは二日の夜、旧暦の時代は節分の夜であったなど、捉え方が全く異なり一定しません。

昔は良い夢を見ることを願って宝船の絵を枕の下に敷いて寝る風習がありました。この宝船の絵の多くには「長き世の十の眠りの皆目覚め波乗り船の音のよきかな」という歌が書き添えられていました。ひらがなに直すと「なかきよのとをのねふりのみなめざめなみのりふねのおとのよきかな」となり上から読んでも下から読んでも同じ文句になる回文となっています。これは吉夢が現実になるように、また逆夢にならないようにという二つの願いがこめられたものと考えられています。

また宝船の絵の裏面には、獏の絵が描かれているものもありました。獏は人の悪夢を食べ、その革を敷いて寝ると邪気を避けるという中国の古い伝承に基づき、期待に反して悪い夢を見ないようにというものです。

日頃無信心でも初詣に行って一年の多幸を祈ったり、おみくじを引いてその吉凶に一喜一憂したりする方は多いはず。初夢に限らず時には先人に倣ってまじないをし、吉夢が見られるように祈りながら眠りにつくなど、古いならわしを楽しんでみるのはいかがでしょうか。

(コラムニスト 現庵/絵:吉田たつちか)2006.1

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