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世界に広がるラーメン!

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15-07-3●ラーメンを食べに来日する外国人観光客たち

いまヨーロッパで、アメリカで、中国で、東南アジアで、世界中で日本のラーメンが流行っていることを皆さんご存知でしょうか?
例えば、「新横浜ラーメン博物館」では、平成25年度で、なんと15万人以上もの外国人観光客が訪れたといいます。
その数は、来館者数全体の2割弱を占めるほど!
さらに「ラーメン博物館」は博物館のヨーロッパ進出まで企画しているとか。外国人観光客の中には「本場のラーメンを食べたくて日本に旅してきた」というラーメンファンもいて、日本の旅行ツアーに「ラーメン博物館」が組み込まれていることもあるといいます。

●世界に広がるラーメン

「新横浜ラーメン博物館」調べによると、2014年5月の時点で、世界37か国、約2500軒のラーメン店があるそうな。
37か国2500軒! もはやラーメンは、中国から日本に伝わり、日本人の国民食になっただけではなく、世界で通用する国際食になりつつあるようです。
例えばアメリカのニューヨークだけで100軒ものラーメン屋があり、中には「行列ができるラーメン屋」まで存在します。
もちろん、行列ができるまでの人気ラーメン屋はニューヨークだけではなく、ヨーロッパにも中国にも東南アジアにもあるのです。
では、なぜラーメンは世界の人々に受け入れられたのでしょうか?

●ラーメンの柔軟性

「ラーメンの柔軟性」といっても、麺が柔らかいとかという意味じゃありませんからご注意を!
日本のラーメンには、各土地土地に馴染んだ「ご当地ラーメン」ってのがありますよね。
「ラーメンといえば、鶏ガラに醤油ベースで、上にナルトとチャーシューと、メンマが乗っていて……」
という統一されたものではなく、九州では白いスープの豚骨ラーメン、札幌の味噌ラーメン、あっさりした塩ラーメンに、背脂をごっそりのせたラーメンに、最近ではトマトソースのラーメンや、ヨーロッパのブイヨンを使ったラーメン、夏場に美味しい冷やし中華などなど、実に柔軟に、土地や時代に合わせて、変化し進化し続けているのです。
こんなラーメンですから、世界のどこにいっても、その土地土地の風土や国民性に合わせて、馴染んでしまうのかも知れません。もちろん、それには地元料理人の大変な努力と試行錯誤があるからです。
でもそれは、努力と試行錯誤してもいいから、もっと美味しいラーメンを食べたいと思わせるラーメン自身に、魅力があるからに違いありません。

●世界にラーメンを広めた功労者インスタントラーメン
そんな世界に広まっているラーメンですが、本格ラーメンが広まる前に、世界中の人々にラーメンを親しまれたもう一つのラーメンがあります。
それが「インスタントラーメン」であり「カップめん」です。どれくらい世界の人々に親しまれているかというと、世界ラーメン協会の推定では

2014年度データ
日本が即席めんを輸出している国の数【49か国】
年間輸出量【約7,223万食】
一年間に全世界で消費されたインスタントラーメンの数【1027.4億食】

という膨大な数! もちろん本格ラーメンと同様、その土地土地で工夫された【ご当地インスタントラーメン】もたくさんあります。
ラーメンは中国から日本にやってきて、日本風にアレンジされ、日本食として世界に広まりました。
でもこの勢いだと「え? ラーメンって日本の食べ物なの? 自分の国の食べ物かと思ってた」なんていう世界の人たちがたくさん現れてくるかも知れませんね。

(食文化研究家・巨椋修(おぐらおさむ)/絵:そねたあゆみ)2015-07

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