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ミカンの手

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04ミカンの手 晩秋から冬にかけてはミカンのおいしい季節です。ミカンを食べ過ぎると、よく「ミカンの手」と呼ばれるように手のひらが黄色になることがあります。これは、ミカンに含まれるβクリプトキサンチンというカロテンの仲間の色素成分が原因です。βクリプトキサンチンは脂溶性(油に溶けやすい)なので、脂肪細胞に蓄積する性質があります。したがって、手のひらだけでなく足の裏や臓器など脂肪があるところは、やはり黄色くなります。 なお、この黄色くなる現象は一時的なもので、しばらくミカンを食べるのをやめると元に戻ります。

βクリプトキサンチンは、余り聞き慣れない成分かもしれませんが、とても優れた働きを持っています。カロテンの仲間なので、他のカロテンと同様に抗酸化作用を持っていますが、さらに他のカロテン類よりもがんの発症を抑制する効果が高いという特長があります(「発がん抑制効果の高い果実成分」)。この優れた発がん抑制効果は、動物実験でも検証されていて、皮膚がんや大腸がん、肺がんなど様々ながんを抑制することが報告されています。ミカンはがん予防効果の強く期待される食材といえます。
また、ミカンを始めとする柑橘類には、ビタミンCが豊富に含まれていることがよく知られていますが、その他にも食物繊維(ペクチン)やヘスペリジン、シネフリンと呼ばれる機能性成分が含まれています。食物繊維の作用はこれまでに紹介してきた通り、コレステロールの排泄促進や大腸がんの予防効果などが知られています。
ヘスペリジンはビタミンPの一種です。ビタミンPとしての作用の他に、柑橘類に含まれるヘスペリジンには、コレステロール低下作用や骨粗鬆症を予防する効果があることが報告されています (「みかんの皮に含まれるヘスペリジンをご存知ですか? 」)。このヘスペリジンや食物繊維は、果肉よりも袋や白いスジの部分に多く含まれていますので、多少食感は悪くなりますが余りキレイにスジの部分を取り除かないでそのまま食べた方が健康にはよいかもしれません。
シネフリンには、脂肪の燃焼を促進する働きがあり、ダイエット効果が期待されています。またミカンに含まれる食物繊維ペクチンは、すい臓から分泌される脂肪分解酵素リパーゼを抑制して脂肪の吸収を抑制する働きもあり、ダブルの効果でダイエットによいといわれているようです。非常に身近な果物ですが、ミカンは健康機能満載の食品なのです。
(医学博士 食品保健指導士 中本屋幸永/絵:吉田たつちか)
2009.12
1916年12月9日、持病であった胃潰瘍が悪化し「明暗」を執筆中に未完のまま49歳の若さで逝去。
そんな漱石が残した俳句に、
腸に春滴るや粥の味(はらわたにはるしたたるやかゆのあじ)
という一句があります。この句は春に詠まれたものでは無いそうですが、大病の後に粥を食べられるまでに回復した喜びを季語の「春」に込め、その嬉々とした雰囲気が伝わってくるような一句です。
千円札の肖像が漱石から野口英世に代わって久しくなりますが、それでも未だ時折手元に回ってくる漱石の憂いのある肖像を見る度、偉大なる文豪への尊敬の思いが蘇るのです。
(現庵/絵:吉田たつちか)
2006.12

 

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