(絵:吉田たつちか)
B級グルメといえばたこ焼きやお好み焼きなど小麦粉を使ったものが多いですね。いわゆる「粉もの」。関西ではこれを「粉もん」といいます。
関東で有名な粉もんは「もんじゃ焼き」でしょうか。実は2日前に近所にもんじゃ焼き屋ができたので、食べに行ってきました。頼んだのは「明太子もんじゃ」というものだったのですが、いや~実に美味しかったです。
お好み焼きなどの粉もんが多く食べられるようになったのは、戦後の食糧難の時代、アメリカが食糧援助として、大量の小麦粉を送ってくれたときからです。
以前にも書きましたが、よく「アメリカは日本人を食から支配するために小麦粉を送った」という陰謀論は間違いで、実際は逆にアメリカは日本に米を送ろうとしたのですが、日本が小麦粉を希望したというのが本当のところ。
その理由はこの小麦粉の多くは学校給食のパンとして使われたのですが、戦争中、軍への供出で鉄不足、日本政府は全国の学校に米を炊く大きな釜を用意することができませんでした。
その点パンなら給食センターでたくさん焼いて、各学校に配ればいい。冷えても美味しいし。
学校給食以外の小麦粉も、市場に出回るようになりました。そしてパンはもちろんうどんやすいとんなどおコメの代用食として利用されたのです。
お好み焼きなども代用食として、食べられた時期もありました。お好み焼きは特に大阪や広島で愛されそれぞれに進化しやがて全国に広がっていったようです。
日清製粉の調べによりますと、「家でお好み焼きを作る」人は、日本全国で88.7%もいるそうです。
家でお好み焼きを作るメリットは、1位「調理が簡単」、2位「お子様が喜ぶ」、3位「食材が安い」
と、カンタン、子どもが喜ぶ、安いとはなんと素敵でありましょうか。
ではお好み焼きのライバル(?)「たこ焼きが好き」と答えた人はなんと97.3%と、むしろ嫌いな人を探すのが大変という人気ぶり。
でも「家でたこ焼きを作る」人は、全国で60.0%とお好み焼きに比べて低い結果でした。。これはたこ焼きを作るためには専用の「タコ焼き機」が必要だからでしょう。
家でたこ焼きを作る人は都道府県別だと、もっとも多いのはやっぱり大阪で84.0%、もっとも少ないのは東京の42.0%とのこと。逆にいうと東京でもご自宅にたこ焼き機がある家が4割もあるということなのでしょう。
いまどきは友だちを自宅に呼んでお好み焼きパーティー(オコパー)や、たこ焼きパーティー(タコパー)を楽しむ人も増えているようで、オコパーに参加したことがある人30.5%、タコパーに参加したことがある人は36.5%と、若干タコパーの方が多いようです。楽しいですからね、みんなでたこ焼きをくるくるやるの。
そしてオコパーやタコパーに参加したいと思っている人は約8割もいるのだそうです。
B級グルメと言われる「粉もん」のお好み焼きやたこ焼きですが、専門店で食べても良し、みんなでパーティーをやっても良しの愛されぶり。
どうでしょう皆さま、今夜あたりたこ焼きかお好み焼きでも作ってみては?
(巨椋修(おぐらおさむ):食文化研究家)
(文:巨椋修(おぐらおさむ) 食文化研究家)2023-03