(絵:吉田たつちか)
ネットで安易に買い物をすると、いつも家人に怒られる。
先日も、Panasonic が新発売した「可変圧力IH ジャー炊飯器 ビストロ V シリーズ」が届いた。雑誌の批評で高評価されていたのでつい衝動買いしてしまった。
我が家の食事は米食か麺類が主で、中でも炊き立てのおいしいごはんがあれば、それだけで一日がハッピーになる。
加齢とともに食も細くなった今少しでも美味しいごはんを食べたいという欲求が増している。
銘柄米にもこだわって、色々食べ比べしたが、長女から教えられた「ゆめぴりか」を長い間、選択していた。温暖化の影響で、北海道が米の最適地になってきたのだという。
その後、近畿大学農学部応用生命化学科の白坂憲章教授を中心とするグループが米穀卸売業の幸南食糧株式会社(大阪府松原市)、精米機メーカーの株式会社サタケ(広島県東広島市)と技術協力し開発した、「金賞健康米」にこっている。
精米された米のビタミン類や食物繊維などの栄養素の量を測るだけでなく、食品分野での応用例の少ないイメージング質量分析(MALDI-IMS)という手法を用いて栄養素がどの部分に分布しているかを明らかにした研究成果と精米機メーカーである株式会社サタケの技術を合わせて、栄養成分を豊富に残したまま白い炊き上がりとなる新しい白米だ。通常の白米に比べて栄養価が高いのが特徴。ごはん革命、金賞健康米と米袋にうたっている。使っているお米は北海道産の「ゆめぴりか」だ。
前述のPanasonic の炊飯器は今はやりのAI 技術を駆使しており、お米の銘柄や炊きあがりの程度に応じて自動で最適な仕上がりが得られる。
大手企業の日本回帰が盛んになっているという。Panasonic の復権も日本にとって喫緊の課題である。さすが日本の技術力は凄いという製品が続々と生まれることを期待したいし、少しでも応援したい。
(ジャーナリスト 井上勝彦)2023-10