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十二支の動物物語

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0811_3年末になると、次の年の干支にちなんだ行事や商品が目に付きます。元々は、暦を示すものであり、戦国時代からは、方向や日付、年月、時間を記す為にも用いられました。一年が十二ヶ月であるので、十二支、庶民が覚え易いように、身近な動物を組み入れていったという説があります。

では、何故、子丑寅…という順番になったのでしょう。こんな昔話が残っています。お釈迦様の下に、新年のご挨拶に動物達が行くことになりました。ネズミは体が小さいので、誰かに乗せてもらった方が、楽です。そこで、優しい牛に声を掛けました。牛は歩くのが鈍いので早目に出るが、それでもいいならばと、快く引き受けてくれました。ネズミは飛び上がって喜びました。さて、ネズミの天敵、ネコはどうでしょう。

身近な動物であるにも関わらず、十二支の中に入っていません。実は、ネズミはネコに、挨拶に行く日を一日ずらして教えたのです。

ご挨拶前日、牛はネズミを背中に乗せて、ゆっくりながらもお釈迦様の下に参ります。一番乗りだと、牛は思いました。所が、ネズミが背中からひょいと飛び降りたので、一番を逃してしまいました。ネズミはチチッと笑い、牛は「モウー」と悔しがったとのこと。

ネコはというと、一日ずらされた情報により十二支には入れず、悔しさにネコんでしまい、腹立ち紛れにネズミを追い回すようになったそうです。

犬猿の仲と言われる、申と戌の間には、仲をトリ持つ、酉が入っています。お釈迦様の前だけでは、喧嘩をしてくれるなと。

十二支は、中国から伝わり、日本のみならず、ベトナムやタイ、意外にも東ヨーロッパでも使用されています。国により、多少の動物の違いはありますが、ほぼ同じと考えて間違いありません。ロシアでは、日本や中国と全く同じ、十二支が使われているようです。遠く離れた異国でも、同じ干支を使っていると考えたら、ぐっと近くに感じますね。

(文:コラムニスト 朝比奈うろこ/絵:吉田たつちか)

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